アジア

平和博物館建立推進委員会(韓国)

(09年2月 9日)

◆コーディネーター 金英丸(キムヨンファン)

 平和博物館建立推進委員会は2003年11月に設立された。ベトナム戦争での韓国軍による民間人虐殺に対する謝罪運動が1990年代後半に広がったのを受け、再び戦争被害者が出ないよう願った2人の元日本軍「慰安婦」被害者の寄付金が「種」となった。「苦痛・記憶・連帯」の精神に基づき、世界中の戦争を記憶し、戦争で傷を受けた人々との連帯を目指す。

 ソウルの有名な観光地、仁寺洞(インサドン)の近くに約100平方メートルの展示空間「space*peace(平和空間)」を開設。平和の心を育てるため、日本の侵略戦争やイラク戦争、朝鮮戦争と祖国分断が残した韓国社会の根強い軍事文化などをテーマに、写真展や絵画展を開催している。

 上映会や講演会、コンサートなど多彩な平和イベントを実施。巡回展にも取り組み、4年目を迎える「子どもの平和の本」展では、全国42カ所の子ども図書館や学校、地域の文化空間を回り、専門家が選んだ135種類の「子どもの平和の本」を展示した。教員対象の平和教育研修、平和講座を展開したり「はだしのゲン」の読書感想文公募や韓国原爆被害者2世の支援など、反核平和運動も主催している。

 韓国には「戦争記念館」はあるが、平和博物館はない。われわれは箱物の博物館建設を目的とするのではなく、韓国社会を覆う「戦争・軍事文化」を乗り越え平和文化を育てる「平和博物館運動」を、ソウルの片隅から発信し続けたい。

住所 大韓民国ソウル市鐘路区堅志洞99-1
電話 +82-(0)2-735-5811
ホームページ http://www.peacemuseum.or.kr
休館日 日曜・祝日
入館料 無料

(2009年2月2日朝刊掲載)

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展示スペース「space*peace」。反核からチベット問題までテーマは幅広い


space*peaceを見学にきた子どもたちが、タイルに平和を願うメッセージを描いた


ブッシュ元米大統領の退任に合わせて開催した「グッバイ・ブッシュ展」の様子


「子どもの平和の本」展。子どもたちが目隠しをして、視覚障害者のことを考える企画も開催