アジア

タイ―ビルマ鉄道センター(泰緬鉄道博物館)(タイ)

(10年1月29日)

◆ジェネラル・マネジャー テリー・マンッタン

 「泰緬鉄道」の歴史を伝える民営博物館として2003年に開館した。第2次世界大戦中、旧日本軍が捕虜にした連合国軍兵士やアジアの労働者によって造られた鉄道の歴史や事実を調査し、伝えている。

 主な展示室では事実に基づき、(1)歴史的背景(2)鉄道建設(3)キャンプでの暮らし(4)医療技術と生き残るための苦悩(5)鉄道の終わり(6)戦争後―について最先端技術を使って説明している。

 鉄道はタイのノーンプラードックからビルマ(現ミャンマー)のタンビュザヤまで415キロにわたった。旧日本軍の指揮下で、ビルマ、ジャワ島(インドネシア)、マラヤ(現マレーシア)などから24万人の労働者が集められたとされる。

 赤痢やコレラ、飢え、過労、貧しさ、衛生的な環境の欠如、日本人技師らによる仕打ちで多くの犠牲が出た。1942年後半以降、戦争捕虜は1万3千人以上、アジア人労働者は約10万人が亡くなったとの推定もある。とりわけ1943年7~10月には、(完成を急げとの)東京からの圧力で、多くの労働者が夜間も含めた過酷な労働にあたった。

 1947年、線路はタイ政府に売られ、政府は1957年までに一部で運行を再開。現在も使われている。ほかの線路はジャングルに覆われたが、盛り土などの敷設跡や橋などは今も見つけることができる。

住所 73 Jaokannun Road, Ban Nua, Amphoe Muang, Kanchanaburi,Thailand
電話 +66-34-512721
ホームページ http://www.tbrconline.com/
休館日 祝日
入館料 100バーツ(約280円)、7~12歳50バーツ(約140円)

(2010年1月18日朝刊掲載)

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鉄道建設を振り返る展示パネルが並び、海外からの来館者も多い


展示室内の様子