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ジュニアライター発信

待っとる間に鶴折る会・ヒロシマ 日常に平和考える時間を

 市民グループ「待っとる間に鶴折る会・ヒロシマ」(広島市安佐南区)は、お好み焼き店やレストランで、注文を待っている客に、折り鶴を折ってもらう活動をしています。集めた折り鶴は、平和記念公園(中区)の原爆の子の像にささげています。

 代表で団体職員の豊久芳光(よしみつ)さん(48)=安佐南区=が「日常のちょっとした時間に、平和について考えてもらうきっかけを提供(ていきょう)したい」と、1996年夏に始めました。

 真っ先に趣旨(しゅし)に賛同してくれたのは廿日市市のお好み焼き店「さいとう」。数年間は、この店だけで活動していました。その後、ラジオで全国放送されるなどし、現在は東京や静岡など41店に拡大(かくだい)。当初は年に約300羽しか集まりませんでしたが、昨年は約3万羽になりました。

 東区にあるホテルチューリッヒ東方2001では、年に約千羽の折り鶴が集まります。折るのは子どもたちが多いそうです。フロント係の川口加代さん(40)は「県外の利用客が、ヒロシマを知るきっかけになっている」と話しています。

 2年前からは、被爆や戦争体験を若者(わかもの)に聞いてもらう活動も開始。修学旅行生を誘致(ゆうち)するため、お好み焼きと復興の歴史や、被爆10年後に白血病で亡(な)くなった佐々木禎子さんについて紹介(しょうかい)した冊子(さっし)も作りました。(高2・寺西紗綾、写真も)

(2013年6月3日朝刊掲載)

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