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ジュニアライターがゆく

『ジュニアライター発』 戦前・戦中の生徒 身近に 広島女学院高生 写真カラー化作業

「時間超えた交流」 11月に展示会

 11月に古里の広島を訪れるカナダの被爆者サーロー節子さん(86)らに見てもらおうと、母校の広島女学院高(広島市中区)の生徒がカラー化した被爆前の広島の写真の展示を準備しています。学校にゆかりのある当時のモノクロ写真を探して色付けします。ジュニアライターとして作業に参加してみました。(高3中川碧)

 「核廃絶!ヒロシマ・中高生による署名キャンペーン」に参加する1、2年生7人で取り組んでいます。展示を提案した2年庭田杏珠さん(16)は昨年、ノーベル平和賞の授賞式で演説したサーローさんに応援(おうえん)メッセージの動画を贈(おく)った経験があり、「被爆者と対話する機会が減る中、記憶を残す新しい方法にもなる」と期待しています。

 メンバーは指導してくれる東京大大学院の渡邉英徳教授(43)と、東区の広島女学院歴史資料館に行き、1930~40年代の卒業アルバムをめくりました。戦前は生徒が運動会で並んで体操したり、礼拝の時間があったりと、今の学校とあまり変わりません。しかし戦時中になると学徒動員され工場で働いたり、素足で畑に入って耕したりするなど、今では想像しにくい生活が並んでいます。

 そこで渡邉教授がタブレット端末を使って試しに写真を撮影しカラー化してみせると、メンバーは驚きの声を上げました。作業に初めて加わった1年河野愛子さん(15)は「昔というフィルターがなくなり、現実味を感じた」と話しました。

 カラー化はスキャンして取ったモノクロ写真のデータに、人工知能が自然な色を選んで付けていくシステムです。実際の色と違(ちが)うところは人の手で直します。渡邉教授は「写真を見た人が自分に引き寄せて当時を考えることができる。今の高校生がすることで、まるでタイムトンネルを抜け戦時中の高校生と交流できるようになる」と説明しています。

 完成した写真の展示会は11月23日にサーローさんが広島女学院大(東区)で行う講演に合わせ、約20枚を並べる予定です。今後は当時の街並みの写真も探し、被爆者から細かい色を教えてもらいながら、色付けに励(はげ)みます。

(2018年6月18日朝刊掲載)

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