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ジュニアライター発信

『ジュニアライター発』 祈りの千羽鶴はがきに再生 FFでの配布に向け紙すき体験

 広島市中区の平和大通り一帯である2017ひろしまフラワーフェスティバル(FF)に、中国新聞のジュニアライターも参加します。4日のステージ発表のテーマは「折り鶴はどこへ」。全国から平和記念公園(中区)に集まる折り鶴についてみんなで考えていきます。来てくれた人たちに配るため、折り鶴再生紙を使ったはがきを作りました。(高2沖野加奈)

 ファニー作業所(佐伯区)で、ジュニアライター11人が職員の浜本晋也さん(36)たちに教わって作りました。作業所では原爆の子の像に寄せられた千羽鶴を市から譲(ゆず)り受け、一つずつばらし、折り紙の状態に戻(もど)します。さらに色ごとに分けますが、全て手作業です。

 私たちは紙をシュレッダーにかけ、小さなチップにするところから体験しました。混ぜ合わせるパルプは、廿日市市の酒造会社が提供した紙パックを使います。表面の薄(うす)いフィルムも手で剝がしますが、想像以上に難しく苦戦しました。

 鶴のチップとパルプは1対9の割合で、水に溶(と)かします。はがき大に区切った木枠(わく)を水にくぐらせ、紙をすきます。脱水(だっすい)後、慎重(しんちょう)に木枠を外し、鶴のカラフルな色味が見えると、歓声(かんせい)が上がりました。3日ほど乾燥させて完成です。

 作業所は2015年に再生紙作りをスタート。「折り鶴と地元企業の協力のおかげで障害のある人を支援(しえん)できる。このシステムこそ平和の証し」と浜本さんは話します。ノートやブックカバーなども作り、作業所や地元のイベントで販売(はんばい)。名刺(めいし)も受注します。

 優しい風合いの再生紙は持つと落ち着く不思議な魅力(みりょく)があります。折り鶴が形を変え誰かに届くように、平和を願う気持ちも、私たちがFFで広めたいです。

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折り鶴はどこへ 中高生20人発表

 「折り鶴はどこへ」をテーマにしたジュニアライターの発表は4日午後2、4時の2回、FF会場三川町ブロックにある「ゴールデンシャワーステージ」であります。ステージ上の「ラブちゅーひろば」と書いた看板が目印です。中学、高校生約20人が参加し、折り鶴が平和の象徴(しょうちょう)になった背景や、再生紙に生まれ変わる様子を写真とクイズで伝えます。

 各30分間の発表は被爆後、白血病から回復を願いながら鶴を折った佐々木禎子さんの紹介から始まります。原爆の子の像の設立運動や、昨年5月に米大統領として広島を訪れたオバマ氏から贈(おく)られた鶴について話します。

 国内外から被爆地に届いた鶴の「その後」も追います。広島市の保管状況(じょうきょう)や、ジュニアライターも体験した折り鶴再生紙作りなど、祈(いの)りを羽ばたかせる取り組みを解説します。

 中国新聞のマスコットキャラクター「ちゅーピー」も登場し、皆さんと一緒(いっしょ)に考えます。

(2017年5月1日朝刊掲載)

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