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被爆者に贈る 感謝の動画 広島・長崎の若者 証言活動に敬意

 核兵器廃絶と平和の大切さを訴えてきた被爆者たちに感謝の意を伝えようと、広島と長崎の若者が動画を制作した。長崎原爆の日の平和宣言にあった「拍手を送ろう」との呼び掛けに共感したのがきっかけだ。

 企画したのは、保育士の山口晴希さん(27)=広島市東区=と、長崎大大学院生の光岡華子さん(24)=長崎市。広島と長崎に住む高校生から社会人まで64人が「ありがとう」と書いた紙を持つ写真計59枚をつなげ、約1分の動画に仕上げた。

 「世界の人たちのために警告を発し続けてきた被爆者に、心からの敬意と感謝を込めて拍手を送りましょう」。8月9日、長崎市の田上富久市長が読み上げた平和宣言を聞き、制作を思いついた。周囲の協力を得て約3週間で完成させた。

 山口さんは、保育士として働きながら平和記念公園でガイドをしている。被爆者が長年重ねた努力を想像しながら、「地道に平和の大切さを伝えることの大変さを実感している」。長崎の平和宣言文起草委員会メンバーでもある光岡さんも、思いを共有する。

 動画はフェイスブックやインスタグラムで発信している。光岡さんは「若者が平和活動に関心を持つきっかけにもなってほしい」と話している。(新山京子)

(2020年9月7日朝刊掲載)

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