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岩国基地の騒音一部増 F35B追加配備 予測図 国が回答

 岩国市と山口県は14日、米軍岩国基地への最新鋭ステルス戦闘機F35Bの追加配備計画を巡り、国に照会していた騒音予測図の提示や航空機運用などへの回答があったと発表した。騒音の範囲は周防大島町や市の島しょ部など一部地域での増加が明らかになった。市と県は回答内容を精査し、対応を明らかにする。

 米軍は10月以降、段階的に既存のFA18ホーネット戦闘攻撃機12機を米本土に移駐し、代わりにF35B16機を配備する方針。国は騒音予測図で住宅専用地域の環境基準超えとなる「うるささ指数」(W値)70以上のエリアを示した。FA18と比べ、離陸時の騒音値が高く着陸時は低い特性を踏まえた結果、「陸上部分においては、70W以上の地域が一部増加する」とした。

 周防大島町の伊保田地区周辺や岩国市の柱島などで70W以上のエリアが増えるという。一方で標準的な飛行の場合、航空機は離陸後、岩国市街地を避け海側に旋回することから「海側への影響はあるものの、市街地への影響は大きくない」とみている。

 米軍岩国基地の航空機数は現在、海兵隊が約60機、海軍が約60機。今回の計画で所属機が4機増となることに対しては、F35Bを2017年に初めて配備した際に4機減となったことを踏まえ「結果的に総数は大きく変動しない」との認識を示した。F35B追加配備後の訓練場所や内容、飛行ルートは「詳細は米軍の運用に関わることであるため承知していない」とした。(永山啓一)

うるささ指数(W値)
 航空機騒音の評価指標の一つ。騒音が続く時間や回数、時間帯を考慮して算出する。昼間より生活への影響が大きい夜間を重視して評価する。数値が大きいほど騒音がひどいことを表す。国は環境基準で住宅専用地域では70以下と定めている。70は地下鉄車内に相当する80デシベルの音が日中に1日50回あったときのうるささに相当する。

(2020年9月15日朝刊掲載)

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