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民族差別考える場 訴え 広島でシンポ NHK投稿問題受け

 NHK広島放送局(広島市中区)が、市民の日記などを基に75年前の日々をツイッター投稿する企画「1945ひろしまタイムライン」で、朝鮮半島出身者への差別をあおる内容があると批判された問題を受け、市民有志の実行委員会が4日、民族差別などを考えるシンポジウムを南区で開いた。

 オンラインの視聴を含め約120人が聴講。市民団体の代表たち5人が意見を交わした。同放送局に抗議したNPO法人共生フォーラムひろしま(西区)の李周鎬理事長は、在日朝鮮人の多くが差別や偏見を恐れて通名で暮らす現状を紹介。「戦後75年の今でも日本社会の差別、偏見は変わっていない」と訴えた。

 朝鮮学校への高校無償化制度の適用を求める広島の訴訟を支援する会の権鉉基事務局長は「拉致や核(兵器開発)の問題もあって在日朝鮮人について語りにくい空気がある。語り、考える場を作る必要がある」と提起した。

 同放送局は、原爆被害や当時の日常を伝えるため3月に企画を始めた。8月20日の投稿などでの、当時の朝鮮半島出身者に関する記述について、差別的な内容だとの批判が広がった。(山田英和)

(2020年10月5日朝刊掲載)

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