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客室タオルは元折り鶴 宮島のホテル 再生製品を採用

平和への願い 観光客に伝えたい

 世界遺産の島・宮島にあるホテル「みやじまの宿菊乃家」が、平和記念公園(広島市中区)にささげられた折り鶴を糸に加工して作ったタオルを客室用に使用し、好評だ。「平和を願う広島の思いを国内外の観光客たちに感じてほしい」と、広島市西区の会社製造の同タオルを採用した。

 7月にバスタオルやフェースタオルを変更。顧客がチェックインした際などに、タオルの原材料には折り鶴から再生したレーヨンの糸が約5%使われていることを説明している。「お土産にしたい」「どこで手に入るのか」などの問い合わせが宿泊客から相次いだため、9月上旬から館内の売店で販売も始めた。

 タオルは、タオル製造などの山本(西区)が「折り鶴タオル」の名称で2016年から製造し、同商品の売り上げの一部を「広島市原爆ドーム保存事業等基金」などに寄付している。折り鶴の再生に力を入れる同社の思いを知ったリネン会社の宮島白栄舎(廿日市市)が仲介し、同ホテルでの使用が決まった。

 山本の山本英則社長(57)は「千羽鶴をささげる人たちの思いを、タオルを通じて多くの方に感じてもらいたい」としている。(東海右佐衛門直柄)

(2020年10月7日朝刊掲載)

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