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核禁止条約 参加検討を 公明代表、茂木外相に要望書

 公明党の山口那津男代表は21日、茂木敏充外相と外務省で面会し、核兵器の保有や使用を全面的に禁じる核兵器禁止条約について、締約国会議へのオブザーバー参加を検討する要望書を渡した。条約発効は年明けに見込まれており、茂木氏は「しっかり受け止めたい」と述べたが具体的な対応は言及しなかった。

 条約はこれまで47の国・地域が批准。発効に必要な50にあと3と迫るが日本は署名していない。菅政権は安倍前政権に続いて「核の傘」を提供する米国への配慮から条約と距離を置く。

 山口氏は「条約は広島、長崎の被爆者の尽力でできた経緯がある」とし、「日本は唯一の戦争被爆国。締約国会議へのオブザーバー参加を望む」と求めた。要望書はさらに、核拡散防止条約(NPT)再検討会議での成果文書の採択や、2月に期限が切れる米ロの新戦略兵器削減条約(新START)の延長協議で日本政府の貢献も促す。

 冒頭を除いて非公開とした面会には広島、長崎両県の同党地方議員らも同席。茂木氏は「被爆の実相を多くの人に伝えることは重要だ」と理解を示したという。面会を終え、被爆2世の田中勝広島市議は「締約国会議が将来被爆地で開かれ、日本が議論の橋渡し役を担ってほしい」と話した。(桑原正敏)

(2020年10月22日朝刊掲載)

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