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監督や俳優の声 配信 21日から 広島国際映画祭

 「広島国際映画祭2020」が21~23日、広島市中区のNTTクレドホールを主会場に開かれる。今年は新型コロナウイルスの影響で規模を縮小。海外からのゲストは招かず、コンペティションも行わない。例年約40ある上映作品も12作品に絞る。トークとワークショップはオンライン配信を初めて取り入れ、監督や俳優の声を幅広く届ける。

 特別招待4作品はいずれもクレドホールで上映する。「宇宙でいちばんあかるい屋根」は、「新聞記者」で今年の日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞した藤井道人監督作品。藤井監督が主演の清原果耶とトークに登壇し、撮影の舞台裏を語る。藤井作品のカメラマンを務めてきた今村圭佑監督の長編デビュー作「燕Yan」や、笠木望監督の出雲を舞台にした「いざなぎ暮れた。」、石井裕也監督の男女3人の物語「生きちゃった」もある。

 「ヒロシマEYE」と銘打った広島関連の映画は8作品を用意。クレドホールでは佐伯区出身の諏訪敦彦監督「風の電話」のバリアフリー版(日本語字幕や音声ガイド付き)をはじめ、安佐南区の調律師矢川光則さんをモデルとした五藤利弘監督「おかあさんの被爆ピアノ」、東区出身の被爆2世で米国在住の美甘章子さん原作のドキュメンタリー映画「8:15」などを上映する。各監督らのトークもある。サブ会場の市映像文化ライブラリーでは、諏訪監督「H story」のほか、桃井かおり主演作に焦点を当てる。

 ワークショップはクレドホールで、藤井監督や諏訪監督ら8人が3日間に分けて出演する。各回とも例年より長めの1時間半~2時間を設定。映画作りのプロセスや裏話を語り、事前に募集した質問にも答える。部谷京子代表は「コロナ禍の今だからこそ映画がみんなに力を与えられる。一つの空間で密にならずに感動を分かち合いたい」と話している。

 1日券1500円、中学生以下無料。「宇宙で―」は指定席券(1500円)が必要。トークとワークショップのオンライン配信は映画祭公式ホームページから無料で視聴できる。映画祭事務局☎082(228)5226。(里田明美)

(2020年11月18日朝刊掲載)

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