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被服支廠知って CFで解説冊子 東区のペーパークラフト作家遊馬さん 模型添えて小中に配布

 広島市東区のペーパークラフト作家、遊馬しいし(本名白石裕)さん(57)が、南区にある最大級の被爆建物「旧陸軍被服支廠(ししょう)」を子どもたちに知ってもらおうと、解説冊子を作っている。費用は、インターネットで小口資金を募るクラウドファンディング(CF)で調達。2月以降、市立の全ての小中学校と特別支援学校計205校の9670クラスへ贈る。(赤江裕紀)

 冊子はA4判カラーで8ページ。1905年に陸軍被服廠広島出張所として開設され、被服支廠となった後に被爆した経緯や、鉄筋とれんが造りの近代建築物としての価値を写真と地図を添えて説明する。小学生が読めるよう、漢字は全て仮名を振る。現存する4棟を800分の1の大きさにしたペーパークラフト模型の材料一式を付ける。

 遊馬さんは、県が2019年12月に保有する3棟のうち2棟を解体、1棟を外観保存するという安全対策の原案を打ち出したのを機に被服支廠へ興味を持ち、初めて見学した。「壮大さや美しさ、恐ろしさを感じた」。ペーパークラフトを自作し、保存団体のメンバーと交流する中で、冊子の配布を思い立った。

 市教委を通じて、今年2月にも各校へ届ける。「子どもたちが学習資料として使い、被爆建物について考える機会にしてほしい」と願う。

 CFは2月14日まで。目標金額(150万円)に達しない場合でも計画通り寄贈する。3800円以上の寄付者には、れんがの風合いなどを精密に再現した1号棟の530分の1スケールのペーパークラフトを贈る。https://camp‐fire.jp/projects/view/349928

(2021年1月14日朝刊掲載)

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