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「3年以内に批准倍増を」 核禁止条約 ICAN・川崎委員会見

 核兵器禁止条約が22日に発効するのを前に、ノーベル平和賞を受賞した非政府組織(NGO)「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN(アイキャン))の川崎哲(あきら)国際運営委員が15日、オンラインで記者会見し、「3年以内に条約の批准国・地域を100へと倍増させたい」と述べた。

 川崎さんは、核兵器の使用や製造が法的拘束力を持って禁止されるようになることに喜びを示した上で「広島、長崎の被爆者が語ることができなくなった日が来ても、条約が世界を縛り続ける。被爆者の訴えが発効を実現する大きな力になった」と意義を強調した。

 第1回の締約国会議は今年中にも開かれる。第2回の会議が予定される3年後までのICANの運動方針を発表した。世界への働き掛けを強めて批准国・地域を現在の51から、国連加盟国の過半数である100へ倍増させ、日本のような「核の傘」に依存する国々も条約に参加させることを目標に掲げた。

 日本政府は「アプローチが異なる」として条約に参加せず、保有国と非保有国の「橋渡し役」を担うと主張。締約国会議のオブザーバー参加も「慎重に見極める」との態度を示すのに対し、「オブザーバーにも来ないなら橋渡しはできない」と批判。将来の批准を見据え、参加を求めた。

 20日に就任する米国のバイデン次期大統領については「核兵器の先制不使用政策や新型核兵器開発の予算をどうするかに注目したい」との見解を示した。(河野揚)

(2021年1月16日朝刊掲載)

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