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被爆桜「2世」 全国で花 安田女子高、苗木届ける活動

 安田女子高(白島北町)の正門近くに1本の被爆桜が立つ。高さ約5メートル、幹回り1・8メートルのソメイヨシノ。被爆75年の節目だった昨年の春も咲き誇った。同校生徒会は、その枝を接ぎ木して苗木にし、全国に広める活動に取り組んでいる。

 爆心地から2・1キロにある同校。戦前は軍施設があり、桜は当時から美しい花を咲かせていたという。苗木作りは2008年にスタート。翌年から県内外の学校や企業など68カ所に計79本を届け、贈り先との交流も生まれた。「被爆桜が残る学校だからこそできる活動」と生徒会副会長の2年畝井潤子さん(17)。

 親木の負担を考え、苗木作りは今育てている13本を最後にする予定だ。生徒会長の2年山木結衣さん(17)は「原爆の悲惨さ、生きることの大切さを教えてくれる大切な桜。各地で成長を続ける『2世』とともに、いつまでも咲いてほしい」と願う。(城戸昭夫)

(2021年1月24日朝刊掲載)

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