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岩国爆音 二審を支持 最高裁 飛行差し止め退ける

 米軍と海上自衛隊が共同使用する岩国基地(岩国市)の周辺住民が騒音被害を訴えた訴訟で、最高裁第3小法廷(林道晴裁判長)は、米軍、自衛隊機の夜間・早朝の飛行差し止めを求めた住民側の上告を退ける決定をした。13日付。過去分の騒音被害について、約650人に計約7億3540万円を賠償するよう国に命じた二審広島高裁判決が確定した。

 岩国基地の騒音被害を巡る初の集団訴訟で、住民側は、在日米軍再編に伴う厚木基地(神奈川県)からの空母艦載機移駐による被害拡大も訴えた。だが各地の基地訴訟と同様、差し止めや将来分の騒音被害の賠償は認めない判断となった。

 住民が2009年に提訴し、一審山口地裁岩国支部は15年の判決で、会話や睡眠が妨げられ、精神的な苦痛や被害を受けたと認めた。騒音レベルの指標「うるささ指数(W値)」に応じて1人月額4千~1万6千円の賠償を命じた。

 19年10月の二審判決は、W値95以上の地域の住民について慰謝料を最大月2万円に増額したほか、結審までの被害分を加算した。

 一部の原告は、輸送機MV22オスプレイの発着やエンジンテストの差し止めも求めたが、一、二審はいずれも請求を棄却していた。

(2021年4月16日朝刊掲載)

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