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R・マクナマラ氏死去 元米国防長官 ベトナム戦争推進 93歳

 1960年代のジョンソン米政権下、ベトナム戦争への本格介入政策を推進し、泥沼化の原因をつくった人物として批判も多いロバート・マクナマラ元米国防長官が6日朝、ワシントン市内の自宅で死去した。93歳。ワシントン・ポスト紙(電子版)が家族の話として伝えた。死因は明らかにされていない。

 1916年6月9日、サンフランシスコ生まれ。第2次大戦での従軍後、46年に自動車大手フォード・モーターに入社し、1960年には社長に上り詰めた。

 翌1961年にケネディ政権で国防長官に就任、ケネディ暗殺後のジョンソン政権でも同長官としてベトナム戦争への本格介入を指令した。その後戦争は泥沼化したが、ベトナムに派遣する米軍部隊を増強し続けた。また米国の核抑止論の根幹である「相互確証破壊」を確立。1968年に長官を退任後、世界銀行総裁に就任し、1981年まで務めた。1995年、ベトナム戦争は間違いだったとする回顧録を出版、世界各国で反響を呼んだ。

 1980年代からは米国をはじめ大国の核戦略を批判。1994年に被爆地広島を初めて訪問した際も「核兵器のない世界を目指さなければならない」と訴えた。

(共同通信2009年7月6日配信、7月7日朝刊掲載)

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