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マ―シャル諸島のビキニ水爆式典 広島市、初公式参加へ

 広島市は24日、米国による太平洋マーシャル諸島・ビキニ環礁での水爆実験から60年となる3月1日に同国の首都マジュロである政府主催の核犠牲者追悼記念日の式典に、元外交官で広島平和文化センター(中区)の小溝泰義理事長を派遣する、と発表した。マーシャル諸島の追悼記念式典に市の代表が公式参加するのは初めて。

 小溝氏は、市議会定例会中の松井一実市長の代理。中央政府庁舎である追悼記念式典で、ロヤック大統領に松井市長の親書を手渡し、「連帯して核兵器廃絶を進めよう」と呼び掛ける。

 小溝氏は2月25日に日本を出発。現地では式典の関連行事や、広島市立大の研究者と世界の核被害地の若者が開く勉強会にも参加し、4日に帰国する。

 広島市国際交流課は「同じ核被害地から、世界に核兵器廃絶のメッセージを発信する機会にしたい」としている。

 1954年3月1日のビキニ水爆実験では住民に加え、付近でマグロ漁をしていた静岡県焼津市の第五福竜丸の乗組員たちも被曝(ひばく)した。

 ロヤック大統領は今月15日、広島市を初めて訪問。中区の平和記念公園や原爆ドームを視察し、松井市長とも会談した。(加納亜弥)

(2014年2月25日朝刊掲載)

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