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30キロ圏の首長「廃炉妥当」 島根1号機運転40年 中電に要求

 29日で運転40年を迎える中国電力島根原子力発電所1号機(松江市鹿島町)について、中電の苅田知英社長が「廃炉も選択肢」と初めて明言したことを受け、事故に備える原発30キロ圏の首長には28日、「廃炉が妥当な判断」との受け止めが目立った。

 「当然の考え方だ」。26日に1号機を「原則廃炉にするべきだ」と踏み込んだ同市の松浦正敬市長は語った。「運転から相当年数がたっており、ある意味当然」。境港市の中村勝治市長もこう述べた。

 「原則40年運転」のルールは福島第1原発事故を受け、当時の民主党政権が方針決定した。鳥取県の平井伸治知事は「40年廃炉の基本方針は重く受け止めてほしい」と中電に求めた。

 苅田社長は廃炉も選択肢とする理由に、福島の事故を受けた安全対策費を挙げた。雲南市の速水雄一市長は「安全対策が講じられないのなら廃炉も当然」と指摘。「原発のない社会を目指すべきだ」と付け加えた。

 一方、現行制度では、運転延長を2015年7月までに原子力規制委員会へ申請すれば、最長20年の運転も認められる可能性がある。中電は申請する場合は原発が立地する島根県、松江市の同意を求めるとみられ、島根県の溝口善兵衛知事は「県の判断は中電の申し出があってからだ」。松浦市長も「中電の判断を待つ」と、中電の検討状況を注視する考えを示した。

 再稼働手続きが始まった2号機と、中電が稼働手続き入りを目指す3号機には、速水市長が「国の基準に沿って安全が確認されれば稼働はありだ」と述べた。

(2014年3月29日朝刊掲載)

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