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ヒストリー

ヒロシマの記録1995 2月


1995/2/1
北朝鮮への軽水炉転換支援問題を話し合うベルリンでの米朝専門家会議が物別れに終わり、3月にも再協議へ。北朝鮮が日韓米を中心に構成する「朝鮮エネルギー開発機構(KEDO)」との軽水炉提供契約など支援計画の骨格部分を拒否
1995/2/1
山口県の第2回原発講座が柳井市文化福祉会館で約130人が出席して開催。原発反対派の藤田祐幸慶応大助教授、久米三四郎元大阪大講師が初めて意見を述べる
1995/2/1
米エネルギー省諮問委員会が、核兵器部門を中心とした縮小と効率化を進めるよう勧告する報告書を公表。ローレンス・リバモア研究所の閉鎖は盛り込まず
1995/2/1
広島法務局が、戦時中に三菱重工業広島機械製作所に徴用された韓国京畿道平沢郡の朴昌煥さんの請求に対し、当時の未払い賃金供託名簿の閲覧を許可。個人に関する供託が確認ができたのは全国初
1995/2/1
米エネルギー省が、放影研の管理運営を委託してきた米学士院(NAS)との契約を解除する方針を厚生省に正式に伝える
1995/2/2
中国電力が島根原子力発電所2号機の自動停止原因はバルブの誤操作と発表。島根県が中電に適正管理を要請
1995/2/3
中国電力島根原子力発電所の増設計画に伴う事前調査について、地元の御津漁協(岸宏組合長)の組合員3人が、記者会見で反対を表明。5日、同漁協が臨時総会。執行部が漁協内に対策委員会設置を提案。25日、事前調査対策委の設置を決める
1995/2/3
山口県熊毛郡上関町の祝島漁協(山戸貞夫組合長)が、原発建設のために中国電力が実施している海上部の立地環境調査の差し止めを求める仮処分申請を山口地裁岩国支部に提出。立地環境調査の差し止め請求は全国初
1995/2/3
広島東社会保険事務所が、三菱重工業広島機械製作所で被爆した韓国人元徴用工31人に対し、当時の厚生年金保険の加入証明を発行
1995/2/4
韓国人原爆被害三菱徴用者同志会を支援する広島集会が、広島労働会館で開かれ、被爆者ら80人が未払い賃金請求など戦後補償実現へ取り組むことを申し合わせる
1995/2/4
自治労山口県本部東部総支部(宮本由道議長)が、山口県熊毛郡上関町祝島の公民館で上関原発反対学習会を開催
1995/2/5
「原発いらん!山口ネットワーク」(三浦泰生代表)が山口市内で地震による原発の危険性を訴えるビラを配る
1995/2/5
ロシアとイランが、イランの複数大学への実験炉提供やロシアでのイランの核関連技術者の養成、海水を淡水化する原子力施設の建設などを含む包括的な協力計画で基本合意したことが明らかになる
1995/2/6
英国核燃料会社ソープ再処理工場のクリストファー・ロックリン本部長が「中・低レベル廃棄物の代わりに同じ放射線量の高レベル廃棄物を日本に返還する」との方針を表明
1995/2/6
広島大原医研が、3月末で退官する蔵本淳所長の後任に佐藤幸男教授(放射線奇形学)を選ぶ
1995/2/6
放影研の管理運営問題に関連し、米エネルギー省が米の若手研究者を放影研で研究させた後、米核兵器工場の放射能汚染除去に携わらせようと計画していることが、同省の部内週刊リポート「インサイド・エナジー」で判明
1995/2/6
社会党広島県本部が、被爆者援護法に国家補償を盛り込む改正運動などを柱にした被爆・戦後50周年の平和行動計画案をまとめる
1995/2/6
イスラエルのペレス外相が国連安保理で、包括的な中東和平が実現するまでは核拡散防止条約(NPT)に加盟しないとあらためて表明。アラブ諸国がNPT無期限延長の条件としているイスラエルの早期加盟の可能性を否定
1995/2/6
カイロでのダマスカス宣言外相会議(エジプト、シリア、湾岸協力会議の計8カ国)が、イスラエルの核拡散防止条約(NPT)加盟を要求する共同声明を発表して閉幕
1995/2/8
8月の被爆50周年記念コンサート「ピース・ワールド・イン広島’95」で披露する「平和賛歌」の公募に国内だけで806点が応募
1995/2/8
第10回広島・長崎宗教者平和会議が広島市内のホテルで2日間の日程で開会。被爆50周年の原爆慰霊祭に相互交流などを申し合わせる
1995/2/8
ウクライナのクチマ大統領が共同通信と会見し、核拡散防止条約(NPT)の延長について「米、ロシアなど核大国の核軍縮が進展しないなど、条約には多くの不備がある」と述べ、無条件、無期限延長に反対の姿勢を示す
1995/2/9
日本被団協が、阪神大震災で被災した被爆者救援のために全国から集めた義援金約160万円を兵庫県被団協に届ける
1995/2/9
北朝鮮への軽水炉転換支援問題を話し合うモスクワでの米ロ協議で、米側が日韓米を中心に構成する「朝鮮エネルギー開発機構(KEDO)」に、ロシアが核燃料供給国として参加するよう提案していたことが明らかになる。自国製軽水炉の提供を主張するロシアは提案を拒否
1995/2/10
韓国紙東亜日報が「朝鮮エネルギー開発機構(KEDO)」に、日韓米はじめカナダ、クウェート、サウジアラビアなど計18カ国の参加が確定と報じる
1995/2/10
米スミソニアン航空宇宙博物館の原爆展中止について、広島市が被爆者らから「意見を伺う会」を原爆資料館東館で開催。日米間の歴史認識を埋める努力を求める意見が相次ぐ
1995/2/10
アルゼンチンのペトレラ副外相が米国務省で核拡散防止条約(NPT)への加盟文書を米に寄託。アルゼンチンもNPTに正式加盟
1995/2/11
呉市のアマチュア講談師緩急車雲助さん(本名・久保浩之)が伏原集会所で、原爆への怒りを託した講談「石に影をやきつけた男」を披露
1995/2/12
ウクライナ政府が原子力発電用の核燃料を生産する同国初の工場を建設することを決め、米、ロシア、仏、ドイツ4カ国の企業による入札を実施する-とインタファクス通信が伝える
1995/2/13
韓国の黄乘泰・駐中国大使がソウルで会見し、中国が2010年までに20-30カ所の原子力発電所を建設する予定で、韓国型原子炉を重点的に導入する方針と明かす
1995/2/13
科学技術庁が、仏から日本への初の返還輸送が始まる高レベル放射性廃棄物のガラス固化体について、出港1、2日前に出港日と船名の公表を約束
1995/2/14
中国電力が島根県議会厚生商工委員会で、島根原子力発電所2号機の自動停止について構造上の欠陥と人為ミスを認め陳謝
1995/2/14
日本原燃が、青森県上北郡六ケ所村の核燃料サイクル基地に完成した高レベル放射性廃棄物貯蔵施設を公開
1995/2/14
米政府が1950年代、大気圏核実験による死の灰の人体への影響を調べる極秘作戦を展開していることが、放射線人体実験に関する大統領諮問委員会の調査で分かる。米エネルギー省と原子力委員会が関与した冷戦時代の放射線人体実験に関する報告書を公表。154回実験があり、犠牲者数は約9千人に上る
1995/2/14
広島市で開かれるNGO(非政府組織)軍縮特別委員会の国際シンポジウム日本準備委員会が発足。ノーベル賞作家の大江健三郎氏をはじめ、被爆者代表や学識経験者ら25人が準備委員に就任
1995/2/14
政府が閣議で、7月施行の被爆者援護法施行令を決める。新たに設けた特別葬祭給付金の支給対象の認定は、都道府県知事と広島、長崎両市長に委ねる
1995/2/15
イランのハラジ国連代表が、核拡散防止条約(NPT)の無期限延長には反対するが、非同盟諸国と歩調を合わせ「期限付き延長には完全に同意する」と述べる
1995/2/15
英民間放送チャンネル4が、南アフリカが依然として核兵器を保有し、極右の軍将校が政府を脅迫していると報道
1995/2/15
広島の市民グループ「原爆遺跡保存運動懇談会」(座長・後藤陽一広島大名誉教授)が、市婦人教育会館で総会。50周年事業として原爆遺跡マップづくりなど運動方針を決める
1995/2/16
柳井地域労連(金子義則議長)が中国電力上関立地調査事務所に、山口県熊毛郡上関町への原発建設計画の中止を申し入れ
1995/2/16
在韓米軍のラック司令官が上院軍事委員会の公聴会で、北朝鮮が米から代替エネルギーとして提供された重油を「軍事転用した疑いがある」と指摘。17日、スロコーム国防次官は否定
1995/2/16
米原子力委員会が1950年代、大気圏核実験の放射性降下物による人体への影響を調査するため、各国で死産児らの骨を収集していた「サンシャイン作戦」に関する秘密文書を中国新聞が入手。日本では原爆傷害調査委員会(ABCC)を通じて骨を集めるよう検討。放影研は22日、「ABCCの関与はなかった」との内部調査結果をまとめる
1995/2/17
中国政府の軍縮問題当局者が「朝鮮エネルギー開発機構(KEDO)」への不参加決定を語る
1995/2/17
広島県被団協(伊藤サカエ理事長)の被爆者援護法説明会が福山市で始まる。県内5地区で開催
1995/2/17
市民レベルで平和について考える場を目指す「ひろしまピースネットワーク」が広島平和会館で初会合。若者ら30人が参加
1995/2/17
広島市が1995年度当初予算案に米での原爆資料展開催費など4,700万円を計上。米スミソニアン航空宇宙博物館の原爆展中止に対応
1995/2/18
エリツィン・ロシア大統領が1954年までの旧ソ連の核兵器開発に関する公文書の公開禁止制限を解除し、資料集にまとめるよう指示する大統領令を出す
1995/2/18
米紙ニューヨーク・タイムズが西欧の情報機関の秘密報告書の内容として報道。1994年に欧州を舞台に起きたウラニウム、プルトニウムなどの核物質密輸事件は124件と前年に比べ倍増
1995/2/18
仏から返還される高レベル放射性廃棄物の海上輸送問題で、青森県弘前市の市民グループ「放射能から子供を守る母親の会」(倉坪芳子代表)が、中南米や太平洋地域など予想される輸送ルート沿岸諸国計44カ国に対し、海上輸送を拒否するよう求める要請文を送る
1995/2/18
核戦争防止国際医師会議(IPPNW)日本支部が、広島市内で理事会と総会。被爆50周年記念事業として、7月に北東アジア4カ国の医師会議の開催を決定
1995/2/19
反核市民団体「ピースリンク広島・呉・岩国」が、海上自衛隊横須賀基地から呉基地に転籍してくる第4護衛隊群に反対し呉市内をデモ
1995/2/19
アイルランド初の女性国家元首メアリー・ロビンソン大統領が、20日からの来日を前に会見。「被爆地広島を訪問し、核拡散防止の必要性を訴え、平和への連帯を表明したい」
1995/2/20
動力炉・核燃料開発事業団(動燃)が、東海事業所(茨城県東海村)内に建設した高レベル放射性廃棄物のガラス固化技術開発施設で作った初のガラス固化体を報道陣に公開
1995/2/21
エリツィン・ロシア大統領が訪問先のベラルーシで、クリントン米大統領が年内にモスクワを訪問し、第3次戦略兵器削減条約(START3)交渉を開始すると発表。コズイレフ外相は22日、「START2の批准が先決」と準備合意を修正
1995/2/21
中国郵政局が被爆50周年記念事業として、被爆建物の広島逓信病院旧外来棟(広島市中区東白島町)を修理して保存・活用すると発表
1995/2/21
徳山市立岐陽中の2年生18人が、広島市中区江波二本松の「シュモーハウス」を訪ねて平和学習
1995/2/21
仏シェルブールの大審裁判所が、環境保護団体グリーンピースに対し、高レベル放射性廃棄物の日本への海上輸送を妨害しないよう命じる。妨害すれば1件30万フラン(約540万円)の罰金を科す
1995/2/22
ロシア安全保障会議付属環境安保委員会のワレリー・メニシコフ氏が会見し、西シベリアの核閉鎖都市トムスク7に、核弾頭の解体で生じたプルトニウム、高濃縮ウランを詰めたコンテナ2万3千個が保管され、専門家から保管状態に問題があると指摘されていることを明かす
1995/2/22
日本原水協調査団が、1954年に米が行った水爆実験で被ばくしたマーシャル諸島ロンゲラップ島民と家族を対象に実施した血液検査で、約4割ががんの疑いとされる数値を示していることが分かる
1995/2/23
日本の使用済み核燃料を再処理した後の高レベル放射性廃棄物を積んだ英国核燃料会社の輸送船パシフィック・ピンテールが仏シェルブール港を出港。広島の反核市民団体「プルトニウム・アクション・ヒロシマ2」(大庭里美代表)が、高レベル放射性廃棄物の海上輸送に反対する抗議声明を村山首相、田中真紀子科学技術庁長官、電気事業連合会に送る
1995/2/23
動燃が東海事業所のガラス固化技術開発施設で、高レベル放射性廃棄物を含む溶融ガラスが設備内部で固まり、作業を中断したことを明らかにする
1995/2/23
ロシアのミハイロフ原子力相が閣議で、大量のプルトニウムや高濃縮ウランを貯蔵するため、ウラル地方の核閉鎖都市チェリャビンスク65など3カ所に新たな貯蔵施設建設の方針を示す
1995/2/23
米スミソニアン協会のヘイマン事務局長が、科学者団体から批判されていた米国史博物館の科学関連展示を変更する方針を示す
1995/2/23
広島県朝鮮人被爆者協議会の李実根会長が広島市役所で会見。「北朝鮮に初の被爆者組織が発足」。加入者数は確認できないが、早期訪日を希望という
1995/2/24
島根県が県議会厚生商工委員会で、島根原発の事故時に体内被曝(ばく)を避けるためのヨウ素剤について「保管場所を発電所に近付ける方向で検討している」との見解を示す
1995/2/24
ロシア下院は本会議で、シベリアの閉鎖都市クラスノヤルスク26に外国の使用済み核燃料を一時的に貯蔵し、再処理をするための新たな施設を建設するよう求めた大統領令の是非を問い、憲法裁判所に提訴する決議を採択
1995/2/25
関西電力大飯原子力発電所2号機で、蒸気発生器細管から一次冷却水漏れ。原子炉を手動停止
1995/2/25
アイルランドのロビンソン大統領が原爆資料館を見学。「この記念すべき年に、ヒロシマは原子爆弾の格別の恐ろしさを再認識させる。われわれもヒロシマの人たちの平和への行動に加わりたい」と記帳
1995/2/26
小説家加賀乙彦さんが広島市中区のエリザベト音楽大で「戦争と平和・私の文学」と題して講演。「戦争や原爆について知るためには、日米にまたがって広範囲に資料を読むべき」
1995/2/26
米スミソニアン航空宇宙博物館での原爆展開催を求めてきた平和運動家ジョセフ・ガースンさんが、中国新聞のインタビューで「新たなヒロシマをつくらないため、原爆投下をめぐる議論に決着をつけるべき」と強調
1995/2/27
日本原水協が、静岡市で「3・1ビキニデー」の国際交流集会。参加者約100人は政府の被爆者対策や核政策を批判。28日は約1,100人が参加して全国集会。草の根の力による核兵器廃絶の国際条約締結など行動を提起
1995/2/27
「原発に反対し上関町の安全と発展を考える会」(河本広正会長)が、柳井市議会に中国電力の上関原発の建設計画に反対するよう求める請願書を提出
1995/2/27
岡山県と同県苫田郡上斎原村が、動燃が提出した人形峠事業所の旧ウラン濃縮パイロットプラント解体試験の協議書を受理
1995/2/28
原爆死没者慰霊等施設基本計画検討会(座長・石丸隆治前公衆衛生審議会長)が基本計画報告書をまとめ厚生省に提出。名称を「原爆死没者追悼平和祈念館」とし、(1)慰霊の場(2)資料・情報の継承(3)国際的な貢献の拠点-の3機能を提言
1995/2/28
学者や平和運動家らでつくる「核不拡散条約を考える会」(代表・庄野直美広島女学院大名誉教授)が、NPTの無期限延長に反対する書簡を米など核兵器保有5カ国の元首に送る
1995/2/-- 
広島市が記録集「戦災復興事業誌」を発刊。区画整理や平和記念都市建設法などを紹介
1995/2/-- 
広島県原水禁が米市民に核兵器廃絶を訴えるため提唱した米紙への意見広告掲載に向け募金運動が始まる
1995/2/-- 
現代俳句協会会員の小田保さん(尾道市防地町)が、原爆俳句200句を収めた句集「夏光極光」を出版
1995/2/-- 
広島市を訪れたマーティン・シャーウィン・ダートマス大教授(歴史学)が、米スミソニアン航空宇宙博物館の原爆展中止について「米国の多くの歴史家は今回の決定に怒っている。市民主導で原爆展を」と提案
1995/2/-- 
「ヒロシマ・平和のリボンの会」(渡辺美代子代表)が原爆ドームをリボンで取り囲もうと呼び掛け

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