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中電2年連続で赤字 円安で火力燃料費かさむ

 中国電力が28日発表した2014年3月期決算は純損失が93億8400万円で、2年連続の最終赤字となった。島根原子力発電所(松江市鹿島町)の稼働停止に伴って運転する火力発電所の燃料費が円安でかさんだ。15年3月期の純損益予想は、原発の再稼働が不透明として示さなかった。

 中電の純損益が2年連続で赤字となるのは初めて。広島市中区の本社で記者会見した苅田知英社長は「原子力の稼働停止の影響が大きく厳しい決算となった」と説明。15年3月期は、原発が引き続き動かなくても「計画通りに火力発電所などの設備が動くとの前提で、なんとか黒字化したい」と述べた。

 純損失は13年3月期に比べ、125億円圧縮した。輸入する石炭や石油など火力発電所の燃料費が円安で483億円増える一方、急がない工事の先送りなどで当初計画を90億円上回る650億円のコスト削減で赤字を小さくした。

 売上高は1兆2560億5400万円で過去最高。4年連続の増収となった。燃料高を料金に反映させる制度で販売単価が上がったのに加え、景気の回復傾向を受けて工場など産業用の需要も増えた。15年3月期も1兆3010億円と増収を見込む。(山瀬隆弘)

(2014年4月29日朝刊掲載)

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