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平和大橋歩道橋 秋に着工 地元住民反発で計画見直し 広島市 市道交差点は存続

 広島市が平和大橋(中区)の北側で、今秋に歩道橋の新設工事を始めることが13日、分かった。国際コンペで採用した当初計画は、近くの市道交差点を廃止する内容だったため地元住民が反発。市は白紙に戻し、設計を見直した。当初計画から4年遅れ、2018年度の完成を目指す。(川手寿志)

 市道路計画課によると、元安川に架ける歩道橋は長さ86・1メートル、幅5・7メートル。歩行者用(幅3・5メートル)と自転車用(2・0メートル)にレーンを分ける。

 北側に高さ1・1メートルの欄干を設けるが、南側には設けない。歩道橋の位置を平和大橋に近づけて隙間を狭め、彫刻家イサム・ノグチ氏(1904~88年)がデザインした平和大橋の欄干を生かす。今後、イサム・ノグチ日本財団(高松市)の意見を踏まえて歩道橋の路面の色合いや欄干のデザインを決める。着工は10月末を予定。総事業費は未定という。

 平和大通りの平和大橋は52年に完成。幅15メートルで、両側にある歩道は幅1・8メートルと狭い。市の10年の調査では、1日の通行量は歩行者4300人、自転車4800台ほどで、朝夕は混雑が激しい。完成後に平和大橋の北側の歩道をなくし、車道を広げる。

 市は08年度、平和大橋の北側約15メートルに歩道橋設置を目指し、国際コンペでデザインを公募。国内外の29社が応じ最優秀案を決めた。しかし、平和大橋東詰めの市道交差点の廃止を含む計画内容に地元住民が反対。市は11年度の着工を見送った上、約4300万円を投じて作った当初計画も採用しなかった。

 今回の設計では、交差点は残り、地元住民の理解も得られているという。

(2014年5月14日朝刊掲載)

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