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千羽鶴にヒロシマの思い 復興見つめた機関誌で作製 広島県警 800号記念

 広島県警の全警察官と職員約5千人が、機関誌の「いずみ」を再利用して、千羽鶴作りに励んでいる。いずみが7月で800号になるのを受けて企画した。いずみは終戦の年に創刊され、ヒロシマの復興の歩みと重なる。千羽鶴に平和や安心・安全への思いを託して来月、平和記念公園(広島市中区)に届ける。

 いずみの編集担当で人材育成課主任の田中静子さん(62)が発案した。倉庫に残る余分の50冊を使い、折り鶴サイズの9センチ四方に裁断。5月から本部と全警察署、警察学校に計約5500枚を配り、協力を呼び掛けた。

 鶴を折る前に、紙に「先人の熱意をつなぐ」「全ての人が幸せに過ごせるように」などのメッセージを書いてもらう。既に4千羽が集まった。

 いずみは1945年12月の創刊。戦後復興へ歩み始める中、「わき出る泉のような勇気と継続力を」と、前身の「警察の友」(1906年11月創刊)から改名。退職者の思い出話や県警内の柔剣道大会などの結果、表彰の様子、急増する犯罪の手口などの記事や写真を掲載。毎月発行している。

 千羽鶴は、6月17日に原爆慰霊碑にささげる。田中さんは「千羽鶴にはみんなの思いが詰まっている。それぞれ、あらためて職務への意識や責任感が高まったと思う」と話している。(福田彩乃)

(2014年5月29日朝刊掲載)

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