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近づく「あの日」 広がる願い:「アオギリ」広島復興の味

  中区の洋菓子店がクッキー

 広島市中区の洋菓子店店主で、胎内被爆者の市原董永(まさなが)さん(68)が平和記念公園にある被爆アオギリをモデルに「アオギリ」と名付けたクッキーを作り続けている。一枚一枚に特別な思いをこめて焼き、3年目になる。

 洋菓子店は「ポワブリエール」。アオギリは葉を模した2枚のバタークッキーにジャムを挟んだ。ジャムはハッサクかレモンで県産の果実を使っている。セット売りの箱には「爆心地から約1・3キロの地点で爆風と熱線を浴びたが、奇跡的に芽を吹き、人々を勇気づけた」と説明を添えた。

 外国人観光客には、英語やフランス語の説明書きを渡している。半年がかりで試作し、2012年春から販売している。11年春に被爆アオギリを初めて見て「幹を半分えぐられても復活した強さに感銘を受けた」と話す。

 市原さんは「集中力を研ぎ澄まして焼いている。復興のシンボルを、多くの人に知ってもらいたい」と話している。1枚151円。同店Tel082(234)9090。(山本乃輔)

(2014年7月30日朝刊掲載)

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