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被爆や戦争体験つづる 広島県北広島出身の堀田さんが自分史

 広島県北広島町出身の被爆者で、埼玉県原爆被害者協議会長を務めた元高校教師の堀田シヅヱさん(94)=写真・同県鴻巣市=が、自分史「済南・広島・鴻巣…」を自費出版した。従軍看護婦の体験や反核運動への思いに加え、同じ埼玉県の活動仲間で被爆医師の肥田舜太郎さん(97)と対談し、脱原発を考える一章も設けた。

 17歳で看護師になった堀田さんは戦争中、中国・済南市の病院に赴任。緊張しつつ仕事をこなす中、死にゆく兵士をみとるつらさをつづっている。原爆投下時は、古市町役場(現広島市安佐南区)の保健師だった。救護活動に追われ、入市被爆。「自分も死ぬと思った」と体に斑点が出た時の不安感を記している。

 戦後、結婚して埼玉県に移り住んだ。養護教諭になって生徒に原爆の恐ろしさを語った。証言活動は欧米にも及んだ。1975~2013年は埼玉県原爆被害者協議会の役員を歴任。核兵器廃絶や被爆者援護法制定運動に取り組んだ記録と体験も詳しく書き込んだ。

 肥田医師との対談では、被爆者治療や内部被曝(ひばく)の仕組みについて聞き、福島第1原発事故による放射能汚染に関しても語り合った。そのやりとりは「金もうけより命と健康が大切」との思いに貫かれている。

 堀田さんは「かつては軍国少女だったが、今は子どもたちを戦場に送りたくない。再び平和が脅かされる時代だけに体験を伝えたい。核廃絶まで死にきれない」と力を込める。  堀田さんに自分史の出版を勧め、構成や編集をしたのは、広島修学旅行に長年取り組んだ元高校教師竹内良男さん(65)=東京都立川市。「90歳を超えた2人のあふれる思いを受け継ぎたい」と話している。

 A5判、166ページ、対談部分のDVD(56分)付き。1500円。堀田さんTel048(542)2979。(田中伸武)

(2014年9月15日朝刊掲載)
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