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島根2号機を現地調査 規制委が初 審査加速の可能性

 原子力規制委員会は19日、再稼働の前提となる審査を進めている中国電力島根原子力発電所2号機(松江市鹿島町)を初めて現地調査した。同原発は事故を起こした福島第1原発と同じ沸騰水型。更田豊志委員長代理は調査後「審査の力点は沸騰水型にも移ってきた」とし、2号機の審査が加速する可能性を示した。

 これまで規制委は、申請が先行した加圧水型原発の審査に重点を置いてきた。沸騰水型の現地調査は、今月12日の東京電力柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)に次ぎ2例目。

 更田氏は、原子力規制庁の職員24人と2号機近くのフィルター付き排気(ベント)設備の内部や、2号機内部の配管など計100カ所を調査した。

 ベント設備は事故時、原子炉格納容器の蒸気から放射性物質を薄めて排出する施設で、沸騰水型原発では稼働の必須条件となる。更田氏は「審査の中で重要な論点。議論を続けていかなければならない」と指摘。2号機の審査終了時期の見通しは「今の段階で申し上げるのは早い」と述べた。

 更田氏は審査合格までにあと1回は現地調査をする考えも示した。中電が10月に完成させた敷地内の事故対策拠点、免震重要棟は「他電力の模範となる」と評価した。(樋口浩二)

(2014年12月20日朝刊掲載)

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