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岩国爆音訴訟が結審 山口地裁支部

 米海兵隊岩国基地(岩国市)の周辺住民654人が国に、米軍再編に伴う空母艦載機移転や夜間飛行の差し止め、騒音被害の損害賠償などを求めた「岩国爆音訴訟」の最終口頭弁論が5日、山口地裁岩国支部であり、結審した。判決期日は追って指定される。

 原告団長の津田利明さん(68)は意見陳述で、滑走路が沖合移設されても「騒音は変わっていないのが実感」と強調。「多くの国民が被害を受けている事実をしっかり受け止めてほしい」と続けた。

 原告の古賀政博さん(69)は2017年ごろまでに予定される米海軍厚木基地(神奈川県)からの艦載機移転などで極東最大級の基地になろうとしていることに言及。「反米感情を持つ国などから岩国基地が攻撃されるのではないか」と懸念した。厚木や沖縄など全国各地の訴訟の弁護団も、騒音や健康被害の実態を訴えた。

 国側は準備書面で「新滑走路の運用後は大幅な騒音レベルの減少が認められる」とあらためて反論。「米軍機の飛行差し止めは国の支配が及ばない」などと主張した。

 岩国爆音訴訟は2009年3月、提訴された。(増田咲子)

(2015年2月6日朝刊掲載)

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