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平和へ一人一人行動を オノ・ヨーコさんヒロシマ賞 原爆資料館を見学

■記者 西村文

 平和に貢献した現代美術作家をたたえる第8回ヒロシマ賞(広島市など主催)が29日、世界的なアーティストで平和活動家のオノ・ヨーコさん(78)に贈られた。授賞式などが広島市南区の市現代美術館であり、オノさんは平和を願うメッセージを発信した。

 松井一実市長から賞状を受け取ったオノさんは「思いがけない受賞決定の知らせを受けた後、3・11が起きた。ヒロシマが私を呼んでくださった気がする」と述べた。30日から同美術館で開く受賞記念展ではヒロシマ、ナガサキ、東日本大震災への鎮魂と希望を込めた新作を展示する。

 授賞式に先立って中区の平和記念公園も訪れ、原爆資料館を見学。「(原爆の悲惨さを皆が)目にする責任がある」と述べた。原爆と福島原発事故に関連して「2度も(原子力の悲劇が)起きたのは日本だけ。悔しい」と発言。記者会見で「一人一人が自分のできる小さなことをしていけば、世界は平和になる」と呼び掛けた。

 オノさんは米ニューヨークを拠点に幅広い芸術活動を展開。夫の故ジョン・レノンさんとメッセージを発信するなど積極的に平和活動を進めてきたことが評価された。同賞は3年に1度選出される。

(2011年7月30日朝刊掲載)

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