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基地のまちは今 米軍と一体運用 拡大懸念 岩国 自衛隊関係者らは理解

 集団的自衛権行使の解禁を柱とする安全保障関連法案が衆院を通過した16日、米海兵隊と海上自衛隊の基地がある岩国市では、市民から米軍と自衛隊の一体運用の拡大に対する懸念の声が上がった。一方、自衛隊関係者たちからは法案の必要性に理解を示す意見が聞かれた。

 岩国基地は、米海兵隊と海上自衛隊が共同使用する。法案成立に道筋がつき、基地に詳しい市民団体「瀬戸内海の静かな環境を守る住民ネットワーク」の久米慶典顧問(59)=同市麻里布町=は「日米防衛協力指針(ガイドライン)が着実に実行される。自衛隊が米軍を守るための訓練が強化されるのではないか」と予測する。

 安倍政権が進める日米同盟の強化が、岩国でも目に見えて前進するとみられる。同市南岩国町の主婦小坂美智子さん(47)は「日本が戦争に巻き込まれることはないと言い切れるのだろうか。市民生活が脅かされる事態が起こるかもしれない」と案じる。

 自衛隊関係者からは法案の必要性に理解を示す声も上がった。海上自衛隊岩国基地で機雷掃海の任務を担当していた元隊員の田代博之さん(63)=同市由宇町=は「日本の掃海技術は高い評価を得ている。自衛隊の活動範囲が広がり国際貢献できるのは幸せなこと」と受け止める。

 元陸上自衛隊員で市自衛隊父兄会会長の信畑紀雄さん(73)=同市門前町=は「国を守るために必要な法案。なぜ整備を急ぐのかとの指摘もあるが、(安全保障環境を考えたら)遅いぐらいだ」と話した。(野田華奈子、大村隆)

(2015年7月17日朝刊掲載)

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