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県女の悲劇 忘れぬ 広島同窓会「追憶之碑」に説明板

 被爆70年に合わせ、広島県立広島第一高女(現皆実高)の同窓会が、広島市中区小町の平和大通り緑地帯に立つ「追憶之碑」の前に、同校の原爆被害の説明板を設けた。老朽化した折り鶴台も一新。18日除幕し、卒業生たちが慰霊と記憶の継承を願った。(和多正憲)

 原爆により、県女は土橋町(現中区)に動員されていた1年生をはじめ生徒、教職員たち計301人を亡くした。被爆10年後の1955年、爆心地から約600メートルに今も残る校舎正門の石柱そばに、遺族や元職員たちが碑を建立した。

 ステンレス製の説明板(縦60センチ、横90センチ)は、県女の原爆犠牲や石柱の由来を日本語と英語で掲載。被爆前の校舎と焼け跡の写真も添えた。折り鶴台は、県女の校章を模したハート形。車いすで碑前に進めるよう石畳も敷いた。

 除幕式には、県女卒業生や皆実高生たち約50人が参加した。県女3年時に今の西区の動員先で被爆した東広島市の川村淳子さん(85)は「ここに来ると亡くなった後輩に会える気がする。多くの人に碑の存在を知ってほしい」。皆実高2年の成定華蓮さん(16)は「碑は多くの先輩たちが犠牲になった歴史を伝える証し。私たちが守りたい」と話した。

(2015年7月19日朝刊掲載)

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