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原爆ドーム2015 <4> 抗議 安保法案に強い危機感

 「戦争させない!」「9条壊すな!」。被爆70年のことし、広島市中区の原爆ドーム前で、ひときわ大きな声が上がる。集団的自衛権の行使が可能になる安全保障関連法案が16日、衆院を通過した。廃案を呼び掛ける被爆者や市民が集う。

 キューバ危機、アフガン侵攻、イラク戦争…。核兵器使用や戦争の脅威が高まるたび、市民はドーム前や平和記念公園の原爆慰霊碑前で抗議の意思を示してきた。今回は「日本が自ら戦争に巻き込まれる可能性のある道を選ぼうとしている」という危機感から熱を帯びる。

 胎内被爆した西区の代筆業土肥八重子さん(69)は市民団体の集会に参加し、意を強くした。「70年間、日本は戦争をしなかった。平和の象徴である原爆ドーム前で声を上げる意味を感じてほしい」。ヒロシマから発する声は国に届くだろうか。(細田一歩)

(2015年7月31日朝刊掲載)

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