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岩国市長「移転是非の結論まだ」 厚木訴訟で強調

 山口県岩国市の福田良彦市長は31日の記者会見で、第4次厚木基地騒音訴訟で、米海兵隊岩国基地への空母艦載機移転を踏まえて自衛隊機の飛行差し止めと損害賠償を「2016年末まで」と区切った東京高裁判決に関して、「市への移転確定を前提とした判決に見受けられるが、移転の是非はまだ結論が出ていない」との立場を強調した。

 福田市長は「艦載機移転は市が誘致したものではない。国と安全安心対策の協議中であり、市民の不安を払拭(ふっしょく)できるような結果を求めたい。最終的な(受け入れの)判断はその先にある」と述べた。

 判決が将来分の賠償を命じ、艦載機を主因とする騒音を、受忍できないうるささと認めた点については、滑走路が沖合に移設された岩国基地でも「騒音被害はあるし、今後も想定される」と負担を懸念。試験飛行の実施などを引き続き国に求める考えを示した。

 在日米軍再編計画によると、岩国基地には2017年ごろまでに厚木基地の空母艦載機59機が移転する予定だ。岩国基地内や市中心部では、受け入れのための施設整備が進んでいる。(野田華奈子)

(2015年8月1日朝刊掲載)

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