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「この町岩国で」空襲語る 山本さん、フェスタで問い掛け 戦争がなく豊かな生活を送るには

 70年前の1945年8月14日、岩国市のJR岩国駅前で空襲に遭った山本正さん(82)=同市門前町=が3日、同市三笠町のシンフォニア岩国で体験を話した。コープやまぐちの組合員たちでつくる実行委員会が開いた「ピースフェスタ」の一環。親子連れたちが熱心に耳を傾けた。(増田咲子)

 山本さんは当時12歳だった。疎開してきたばかりの身重の叔母の荷物を取りに、弟と叔母の3人で岩国駅へ向かった。警報が鳴り、駅前の防空壕(ごう)に飛び込んだ瞬間、爆弾が落ちた。壕の入り口がふさがり、閉じ込められたものの救出され、助かった。叔母は防空壕に避難する時にはぐれ、いまだに行方が分からないままだという。

 山本さんは「戦争がなく豊かな生活を送れるよう、日本が今、何が必要なのかを真剣に考え、勉強してほしい」と語り掛けた。灘小4年柴田萌子さん(9)は「爆弾は怖いと思った。戦争は起きてほしくない」と話していた。

 山本さんの証言は、自分たちの町の戦争の被害について考えてもらおうと企画。ピースフェスタの会場には、段ボールで再現した防空壕や、平和についての絵本のコーナーなどが設けられ、約70人が訪れた。

(2015年8月4日朝刊掲載)

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