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関係者の車 空港で待機 渋滞緩和図る 岩国基地工事

 米空母艦載機の移転に向けて受け入れ準備の工事が進む米海兵隊岩国基地(岩国市)周辺の渋滞を緩和するため、中国四国防衛局は今月から、基地に入る工事関係車両を隣接する岩国錦帯橋空港の駐車場に一時待機させる対策を始めた。基地へ向かう車両が引き起こす朝の渋滞で、周辺住民や空港利用者から苦情が出ていた。

 防衛局によると、対策の期間は8月1日から数年間。日曜と祝日を除く午前5~9時、空港駐車場(約600台)のうち西側約100台分を利用する。建設会社の社員たちを乗せた車両などが対象で、ダンプカーやミキサー車などの作業車両は除く。年末年始や盆期間などの繁忙期は、駐車場を管理する岩国空港ビルと調整し、利用を自粛する予定だという。

 基地周辺の渋滞は、工事の増加に伴って2年前から発生。防衛局は基地内に車両の待機場を設けるなどの対策を講じてきた。だが通勤時間帯の渋滞は解消されておらず、防衛局は「空港駐車場の利用で車両の集中を避けたい」としている。

 在日米軍再編計画に伴い、岩国基地には2017年ごろまでに米海軍厚木基地(神奈川県)から空母艦載機59機が移転する予定だ。基地内や市中心部の愛宕山地区では受け入れのための新たな施設整備が進んでおり、本年度に実施される工事の予算額は過去最多の1019億円に上る。(野田華奈子)

(2015年8月7日朝刊掲載)

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