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川上弾薬庫 防音工事へ 東広島 米陸軍施設

 中国四国防衛局は、東広島市八本松町の米陸軍川上弾薬庫の弾薬処理施設の防音工事に乗り出す。不用になった弾薬の処理作業が2000年から続いており、住民が騒音被害を訴えていた。

 弾薬庫はJR八本松駅北側の山林にあり、内部は非公開。弾薬処理施設の規模や具体的な処理方法などについても一切公表されていない。弾薬処理ではドーンという重低音やパンパンという爆竹のような破裂音が平日に発生している。

 市は音が激しくなったとの住民の苦情を受け09年6月に調査した結果、15分間に最大で264回の爆発音と、最大74デシベルの騒音を確認した。防衛局も今年1、2月の調査で最大87デシベルと「地下鉄の車内並み」の騒音を測定した。

 防衛局は「本年度は測量調査などで、来年度以降に工事を予定している」としている。工事方法は、処理施設を完全に覆うか、上部を開放した防音壁を想定しており、米軍と協議して決める。事業費は非公表。米軍が発生源となる騒音に日本側が対応することについて、防衛局は「日米地位協定の規定に基づく整備」としている。

 地元の自治会である飯田上組区の寺田公徳区長は「騒音が軽減されるのは歓迎する」とした上で「事故発生時など、米軍と直接情報をやりとりするルートがないのは不安だ」と話す。弾薬庫を管理する米陸軍第83兵器大隊(司令部・呉市)は、防音工事について「日本政府の迅速かつ効果的な支援に心より感謝している」とコメントしている。 (小笠喜徳)

米軍川上弾薬庫
 東広島市八本松町のJR八本松駅北側にあり、敷地は約260ヘクタール。弾薬保管能力は約4万トンとされる。1942年に旧日本海軍が建設し、戦後に米軍が接収した。2000年から、不用になった小銃弾などを加熱処理しており、その過程で騒音が発生していた。

(2011年8月18日朝刊掲載)

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