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米印核協力 反核団体や被爆者団体が日本政府に反対要請

■記者 道面雅量

 米国とインドの原子力協力協定を日本政府が容認する方針を固めたことについて、被爆者団体や反核団体が19日、相次いで外務省を訪れ、「被爆国として勇気を持って反対すべきだ」などと申し入れた。

 日本被団協や日本原水協など8団体は、それぞれの声明や要請文を持って合同で申し入れ。「容認すれば核拡散防止条約(NPT)体制の崩壊を招く」と訴えた。応対した西村康稔外務政務官は「まだ(容認と)決めたわけではない。NPT体制に支障がないよう議論する」と答えたという。

 被団協の田中煕巳(てるみ)事務局長は申し入れ後の会見で「被爆国として反対するのが当然だ」と、方針転換を強く求めた。

 原水禁国民会議と核禁会議、連合も3団体連名で高村正彦外相あての要請文を提出。「パキスタンや北朝鮮、イランにもさらなる核開発の口実を与えかねない」として、反対するよう求めた。

(2008年8月20日朝刊掲載)

米印核協力容認  広島で抗議や要請相次ぐ

■記者 岩成俊策

 米国からインドへの核関連技術提供を日本政府が容認する方針を固めたことに対し、広島市でも19日、抗議行動が相次いだ。

 広島県平和運動センターと広島県原水禁のメンバーたち約50人は、平和記念公園(中区)の原爆慰霊碑前に座り込むとともに、米印原子力協力協定に明確な反対を求める要請書を国などに送った。

 県原水禁の向井高志代表委員は「唯一の被爆国として日本は核廃絶を進めていく立場。被爆地から抗議の輪を広げていかなくては」と厳しい表情だった。

 広島県被団協(金子一士理事長)と広島県原水協は、首相官邸に要請文をファクスで送った。核拡散防止条約(NPT)未加盟のインドへの核関連技術提供について、「これを許せばNPT体制は不平等の上に不平等を重ね、崩壊につながりかねない」と強調、協定への断固反対を求めた。

(2008年8月20日朝刊掲載)

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