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被爆の惨状 心に刻む 国連軍縮会議 広島で開幕 参加者ら資料館見学

 広島市では19年ぶりの開催となった国連軍縮会議の参加者たちは26日、中区の平和記念公園を訪れ、「核兵器なき世界」に向けて努力を続ける決意を新たにした。

 外交官や専門家たち参加者83人のうち、希望した約50人が訪問。原爆慰霊碑を案内した松井一実市長から碑文に込められた思いを聞き、1人ずつ碑前の献花台に花を手向けた。原爆資料館では、被爆直後の惨状の写真や焼け跡の模型、原爆死した動員学徒の遺品などに見入った。

 広島国際会議場に移動して、学徒動員先の軍需工場で被爆した梶本淑子さん(84)=西区=の体験も聴いた。「たくさんの人が『水を』と求め、次々と亡くなった」。その記憶を基に高校生が負傷者たちの様子を描いた「原爆の絵」がスクリーンに映し出され、参加者はつらそうな表情で耳を傾けた。

 国連アジア太平洋平和軍縮センターのユーリー・クリボノス所長代理は「梶本さんの『二度とあってはならない』との訴えが、心に響いた。核兵器の禁止、廃絶を目指すべきだと強く感じた」と話した。

 夜は南区のホテルで、広島県、市でつくる国連軍縮会議実行委員会と外務省共催の歓迎レセプションも開かれた。(水川恭輔)

(2015年8月27日朝刊掲載)

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