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米大学で反核絵画展 西区の嘉屋重さん 被爆証言も

 被爆者で元美術教諭の嘉屋重順子さん(72)=広島市西区=が10月1~31日、米ハーバード大で「被爆者の視点での絵画展」を開く。会場で学生や教員に被爆体験を語る。嘉屋重さんは「核兵器だけは駄目だと伝えたい」と意欲をみせる。

 親交のある米国人平和活動家の働き掛けで実現した。黒い雨が降り注ぐイメージや人々の怒りを表現した油絵約30点を展示する。

 嘉屋重さんは6歳の時、爆心地から1・3キロの横川町(現西区横川町)で被爆。姉の1人は外出先で被爆死し、別の姉は行方が分からないままだ。

 絵画展開催中は米国に滞在し、日本原水協による国連への核兵器廃絶の要請(10月5日)にも加わる。15日に市役所で会見した嘉屋重さんは「作品は直接原爆を描いたものは少ないが、被爆体験がにじんでいると思う」と述べ、米国の若者の感性に期待を寄せた。(田中美千子)

(2011年9月16日朝刊掲載)

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