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「艦載機」国との協議強調 福田氏 岩国市長選立候補表明

 岩国市の福田良彦市長(45)が31日、3選を目指して立候補する意向を市議会本会議で表明した。米海兵隊岩国基地(同市)への空母艦載機移転が迫る中、まちづくりに「基地との共存」という新たな観点を打ち出す福田氏。艦載機移転受け入れの最終的な判断という大きな節目を控える市長選となる。

 「今後も引き続き市長として先頭に立ち、議会や市民のみなさんと協働して市の新時代を築きたい」。福田氏は市議会本会議の質疑で、残り5カ月となった現任期の終了後の対応を問われ、3期目への意欲を示した。

 岩国錦帯橋空港の開港や国立病院機構岩国医療センターの愛宕山地区への移転などを2期目の成果として挙げ、「これからが正念場」と明言。中山間地域対策を含めたまちづくりをさらに進める考えを示した。

 2017年ごろとされる米海軍厚木基地(神奈川県)から岩国基地への空母艦載機移転。立候補を表明後の本会議の休憩中、福田氏は「安心安全対策と地域振興策の実現が私の使命」とした上で、受け入れについて「総合的な判断にはまだ時間がある。しっかり国と協議を進めたい」と述べた。

 一方で、この判断と切り離して掲げる「基地との共存」に向け、教育や国際交流などの分野でどんな事業が可能か、各課に検討を指示していることを明かした。

 一方、艦載機移転に反対する市民の間では、市長選に対立候補の擁立を模索する動きがある。(野田華奈子)

(2015年9月1日朝刊掲載)

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