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岩国市が青写真 防衛省施設誘致 企業進出促し人口増・雇用創出/博物館と一体整備で観光振興

 山口県岩国市が提案し、県が政府に要望した防衛省技術研究本部艦艇装備研究所(東京都目黒区)の誘致について、市は海上自衛隊岩国基地周辺を想定し、実現すれば関連企業の進出による人口増や「航空博物館」との一体整備による観光振興が期待できるとしている。

 艦艇装備研究所は船舶や掃海器材などを研究し、職員数は約110人。県と市は、海自で唯一の航空掃海部隊が配備されている岩国基地周辺への移転で現場のニーズを生かしやすくなるとアピールする。最新式の艦艇を持つ海自呉基地(呉市)と直線で約30キロの立地も研究環境の向上に役立つとする。

 市政策企画課は、地元のメリットとして「移転による人口増に加え、関連する民間企業の進出が促され、新たな雇用創出につながるのでは」とする。

 また、市は2009年、米海兵隊岩国基地への空母艦載機移転など在日米軍再編に伴う負担増の見返りの地域振興策として、航空博物館の建設を防衛省に要望している。今回、艦艇装備研究所と一体的な整備を提案し、観光交流人口も増えると期待。「実現すれば、昨年12月の総合計画で掲げた『基地との共存』の理念に沿うまちづくりの一歩となる」と主張する。

 中央省庁や国の研究機関の地方移転は安倍政権が打ち出し、都道府県を通じて提案を募っていた。政府は自治体や対象機関などから意見を聞いた上で、来年3月に移転の可否をを決定する。(野田華奈子)

(2015年9月8日朝刊掲載)

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