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言葉で伝える福島の現実 松江 詩人和合さん招き講座 なくなった命と暮らし 今も身近に

 東日本大震災後の福島を学ぶため、松江市のミュージシャン、浜田真理子さん(50)が2013年から主宰する公開講座「スクールMARIKO2015」の今季最終回が26日、同市内であった。

 約60人を前に、詩人の和合亮一さん(47)=福島市=が講演。「福島では、なくなった命と暮らしが今も身近に感じられる」と指摘。震災や福島第1原発事故を題材に神楽を創作していることを紹介し、「震災の現実を、自分が知っている言葉では伝えられないとの思いがあった。だが、今は新しい神話をつくるくらいの思いがある」と語った。

 講演後の対談で浜田さんは「ずっと言葉に携わっていた人が、新しい言葉が必要だと思うというのはすごいこと。ぜひやり続けて」とエールを送った。

 聞き入った島根大法文学部3年猪俣潤也さん(22)=松江市=は「松江は原発もあるのに、震災への関心が低いと思う。自分も含め、若い人が関心を持たないといけないと感じた」と話していた。(秋吉正哉)

(2015年9月27日朝刊掲載)

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