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三隅で伝える戦争 学徒動員や特攻隊 テーマ

 学徒動員や特攻隊などの戦争体験について聞く会が3日、島根県浜田市三隅町の三隅公民館であった。戦後70年の節目に、三隅地区生涯学習地域推進委員会が主催し、約40人が聴講した。

 いずれも地元在住で、16歳の時に防府市の鉄工場に学徒動員された杖田昌道さん(87)と、同じく16歳で鳥取県の美保海軍航空隊に入隊した寺井唯可さん(87)が語った。

 杖田さんは「何に使われているものなのか何の説明もないまま、苦しい環境で毎日作業していた」と振り返り「つまらない戦争だという工場の先輩の言葉が強く印象に残っている」と話した。

 寺井さんは特攻隊に志願。沖縄戦での敗北を受け、米軍が九州西岸まで進攻した場合は敵艦に突っ込む作戦だったという。「仲間とともに、死への恐怖は超越した心境だった。おかしな時代だった」と声を震わせた。

 近くの農業尾実寿美枝さん(72)は「戦争の恐ろしさが身に染みた。伝え続けていかなければならないと感じた」と話した。(松本輝)

(2015年10月4日朝刊掲載)

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