×

ニュース

祖父や牛の被爆体験つづる 広島の玉里さん出版 「あの日(8月6日)牛のクロは逝った」

 一緒に暮らしていた祖父と伯母、祖父の飼っていた牛の被爆体験を記した「あの日(8月6日)牛のクロは逝った」を、広島市安佐南区の玉里紘子さん(71)=写真=が自費出版した。

 1945年8月6日朝、祖父と伯母は、建物疎開で出た木材を持ち帰ろうと牛を連れて広島県祇園町(現広島市安佐南区西原)の自宅を出発。広島市堺町(現中区)に向かう途中で被爆した。牛はがれきの下敷きになって焼け死に、2人も帰宅はしたが、祖父は7日、伯母は10日に死亡した。

 玉里さんが、祖母らから聞いた話をまとめるとともに、自ら作った短歌も載せた。「被爆は亡くなった人の数ではなく、一人一人の話だと知ってほしい」と話している。A5判、78ページ。千部印刷。1200円。(二井理江)

(2015年10月5日朝刊掲載)

年別アーカイブ