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黒塗り文書を地裁に提出 上関埋め立て訴訟で山口県

 山口県上関町の中国電力上関原発建設予定地の公有水面埋め立て免許延長をめぐり、故山本繁太郎前知事と村岡嗣政知事が違法に判断を先送りしているとして反対派が損害賠償を求めている訴訟で、県は23日までに、山口地裁から提出を求められていた免許延長の審査の過程で中電とやりとりした文書を、黒塗りにしたまま郵送した。

 郵送したのは、これまで中電に求めた補足説明の要求と回答の一部。黒塗りにした理由について、県港湾課は「提出はあくまで任意で強制力はない。文書には企業が不利益を被る内容が含まれている上、開示すると県の審査に支障を来す恐れがある」としている。

 県が情報公開請求に対し、全て黒塗りにして公開したため、原告側は昨年6月、地裁に文書送付嘱託を申し立てた。ことし9月末には地裁の桑原直子裁判長も「(知事の)判断に誤りがあるかどうかは文書を調べる必要がある」として県に提出を求め、23日が回答期限だった。(門戸隆彦)

(2015年10月24日朝刊掲載)

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