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乗員5000人 「浮かぶ街」 米原子力空母ロナルド・レーガン公開 横須賀

 米海軍の原子力空母ロナルド・レーガンが1日、米海軍横須賀基地(神奈川県横須賀市)に配備された。長さは東京タワーとほぼ同じで、約5千人が乗り込む「浮かぶ街」である。入港後、一部が報道陣に公開された。(山本浩司)

 2008年から同基地に配備されていたジョージ・ワシントンが米国で長期の点検・整備を受けるため交代。家族と一緒に日本に住んでいる空母要員、航空要員など乗組員の3分の2と全ての艦載機は、ジョージ・ワシントンから移った。

 全長約333メートル、排水量9万7千トン、艦載機を最大90機搭載できる。2基の原子炉が時速30ノット(約56キロ)以上での航行を可能にする。同基地に入港中は原子炉を停止し、必要な電力は陸から供給される。

 約42年前から同基地に配備されている空母は、米海軍で唯一、母港が海外にある。その存在意義について第7艦隊のジョセフ・アーコイン司令官は「本国からに比べ(担当海域に)1週間早く展開できる」と即応力を強調した。

 米海軍の資料によると、乗員のために1日に提供される食事は1万1千食、消費される卵1200個、牛乳約950リットルという。大学の教授陣が常駐して教育を受けることも可能。63床の病院もある。

 艦名は第40代米大統領ロナルド・レーガンに由来。同氏の立像や写真が並ぶ「レーガン・ルーム」がある。空母の広報担当者は「乗員は士気を鼓舞するときなど、像の右手にハイタッチする」というエピソードを話してくれた。

 艦載の航空部隊、第5空母航空団は戦闘攻撃部隊、早期警戒飛行隊、海洋攻撃ヘリコプター飛行隊など9部隊で構成。17年ごろ、現在陸上基地としている米海軍厚木基地(神奈川県綾瀬市など)から59機が米海兵隊岩国基地(岩国市)に移転の予定である。

 艦載機移転後、厚木基地周辺の広い地域で騒音軽減が期待される一方、岩国基地周辺や中国地方の訓練空域と低空飛行ルートなどでは騒音の増加と拡大が懸念されている。

(2015年10月25日セレクト掲載)

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