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1万6645人に調査票 被爆者実態調査 広島市が発送

 厚生労働省が10年おきに全国で実施する本年度の「原爆被爆者実態調査」で、広島市は26日、市内の被爆者1万6645人に宛てて調査票を発送した。生活や健康状態を記入し、11月30日までに返送するよう協力を呼び掛けている。

 調査は被爆者援護策に生かす目的で1965年度に始め6回目。今回は国内の被爆者の約3割に当たる約5万6千人(無作為抽出)と、海外に住む被爆者(在外被爆者)約4千人の計6万人を対象にする。調査票の発送と回収を広島、長崎両市と全都道府県が担う。

 質問内容は前回をほぼ踏襲し、国内用18項目、国外用19項目。11月1日時点の収入や介護、通院の状況などを尋ねる。被爆者としての「今の苦労や心配」の問いでは、複数回答の選択肢に「子や孫の健康」を新たに加え、八つにした。被爆2世、3世の健康状態の把握を求める日本被団協の意見を踏まえている。

 この日、広島市役所では、原爆被害対策部の職員が、調査票と市への返信用封筒を詰めた封書を、段ボール箱で次々と運び出した。同部は「被爆者の高齢化が進む中、国施策の要望にも生かしたい。ぜひ協力を」と求めている。市が被爆者健康手帳を交付している19カ国・地域の在外被爆者2019人の大半にも19日に発送した。広島県も国内外の計7368人へ順次、送っている。(水川恭輔)

(2015年10月27日朝刊掲載)

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