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愛知の元生徒 幟町小訪問 60年前 禎子さんに折り鶴届く 広島市中区

 被爆10年後に白血病と闘う佐々木禎子さんに届いた折り鶴を作った、愛知淑徳高(名古屋市)の当時の生徒4人が26日、禎子さんが通った広島市中区の幟町小の平和集会に参加した。被爆者を励まそうとの思いが、回復を願って少女が鶴を折るきっかけになった。60年を経て、平和への願いを込めた新たな折り鶴を児童に託した。

 4人は2年生だった1955年8月、同級生と作った折り鶴4千羽を赤十字を通じて広島の被爆者へ贈った。その1房を広島赤十字病院(現中区)に入院していた12歳の禎子さんが受け取り、鶴を折り始めたという。

 集会では、児童約500人を前に、中村順子さん(77)=兵庫県西宮市=が「白血病の方が元気になりますようにと願って折った」と回顧。「子どもの力はすごい。平和のためにできることを話し合って」と呼び掛けた。この日のために作った千羽鶴を学校へ贈った。

 代表して受け取った6年岡田匠史君(12)は「ほかの学校に禎子さんの話をもっと伝えたい」と力を込めた。

 被爆70年に合わせ同小を訪問。禎子さんの命日の25日には、禎子さんをモデルにした原爆の子の像(中区)に折り鶴をささげた。(水川恭輔)

(2015年10月27日朝刊掲載)

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