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原発30キロ圏3市 防災強化 県が来年度 防護服・測定器を配備

 島根県は2012年度、中国電力島根原子力発電所(松江市鹿島町)での事故に備え、同原発から30キロ圏内にある出雲、雲南、安来の3市で防災対策を強める。福島第1原発事故を受け、防災対策の重点地域が原発30キロ圏に拡大される見通し。放射線測定器など資機材の配備を進め、住民の安全確保につなげる。(樋口浩二)

 3市とそれぞれの消防本部や警察署に、空間線量や衣服に付着した放射線を測るサーベイメーターに加え、防護マスクや防護服を配備する。これまでは、県に加え、島根原発が立地する松江市と緊急被曝(ひばく)医療機関を配備対象としていた。

 事業費は1億6800万円を見込む。国の原子力発電施設等緊急時安全対策交付金を財源に充てる。政府の原子力安全委員会が示した防災対策の重点地域拡大方針を受け、経済産業省原子力安全・保安院は、12年度の予算編成で本年度比約3.6倍の約95億円を概算要求している。

 さらに県は、原発から50キロ圏を対象に放射線監視装置(モニタリングポスト)を増設する方針。松江市を含む30キロ圏内の4市と、現在は監視体制のない奥出雲、飯南町に対し、主に携帯型のモニタリングポストを供給する。事業費は約6億円を見込む。

 県の大国羊一危機管理監は「できるだけ早く防災体制を整え、県民の不安解消につなげたい」と話している。

(2011年12月15日朝刊掲載)

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