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中国地方初メガソーラー完成式 福山の象徴 期待高まる

 福山市箕沖町で今月から既に稼働している中国電力の福山太陽光発電所の完成式が21日、現地であった。中電の苅田知英社長や湯崎英彦知事、羽田皓市長たち約40人が、中国地方初の大規模太陽光発電所(メガソーラー)に期待を寄せた。(武内宏介)

 1万6544枚の太陽電池パネルが並ぶ施設脇の特設テントで式典があった。苅田社長は「瀬戸内海の沿岸は日照条件に優れていることから、初の建設地に選んだ。2020年度末までに合計1万キロワットのメガソーラーを建設したい」と話した。

 湯崎知事は福島第1原発の事故に触れ「再生可能なエネルギーはますます重要になる。県内立地を進めたい」と強調。羽田市長は「メガソーラーを福山の象徴とし、環境対策の取り組みを強める」と誓った。

 同発電所は敷地約4.5ヘクタールで最大出力3千キロワット。建設費約12億円。営業運転を始めた1日から20日までの発電電力量は、合計16万2270キロワット時だった。夜間は発電できず日照条件にも左右されるため稼働率が11.3%にとどまったが、中電は「日照時間が短い冬としては良好だ」としている。


太陽熱発電の未来熱弁 三原高で東工大教授

 三原市出身で太陽熱発電研究の第一人者として知られる東京工大の玉浦裕教授(64)が21日、同市の三原高で講演した=写真。福島第1原発事故を踏まえ、今後のエネルギー問題などについて話した。

 1、2年生約380人を前に玉浦教授は、世界で再生可能エネルギーとして太陽熱発電の開発が進み、合わせて原発5基分の能力に相当する発電所が設置されていると紹介した。3年後には17基分に増えるとし「すでに太陽エネルギーの時代に入っている」と強調した。

 取り組んでいる「アジア・デザーテック計画」も説明した。中国で巨大な発電プラントを造り、高圧直流送電網で日本に電力を輸入する計画で「日本の技術力で世界トップクラスのものにしたい」と熱っぽく語った。

 生徒には「次世代の未来を考え、共有する取り組みをしてほしい」と助言。「信じた道を妥協せずに進むことが大切だ」とエールを送った。(鴻池尚)

(2011年12月22日朝刊掲載)

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