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在沖縄海兵隊 米、岩国へ1500人移転打診

「唐突」「負担増す」 憤る地元

 米政府が在沖縄海兵隊のうち約1500人を、米海兵隊岩国基地へ移駐させるよう日本政府に打診していたことに、地元岩国市は強く憤り、反発している。

 岩国基地への艦載機移駐に協力姿勢の市議でつくる「岩国基地問題に関する議員連盟」の貴船斉副会長は「地元への説明などきちんとした道筋を踏まない唐突な話。当然認められない」と話す。

 移駐反対派の大西明子市議も「先月末に再編に協力姿勢の福田良彦市長が再選されたばかり。こんなことが起きるのではと危惧していた。岩国ではどんどん基地機能強化が進むのではないか」と危機感をあらわにした。

 艦載機移駐を容認する市民団体「岩国の明るい未来を創る会」の原田俊一会長は「これ以上の負担増となる米海兵隊の増強は賛成できない」ときっぱり。

 移駐反対派の市民団体「愛宕山を守る市民連絡協議会」の岡村寛世話人代表も「岩国市は条件次第で何でも受け入れると思われている。心配していたことがこんなに早く起こるとは」と憤った。同市総合政策部の村田光洋基地政策担当部長は「そんな話は何も聞いていない。早急に国に事実を確認したい」と述べた。(酒井亨、大村隆、堀晋也)

米海兵隊岩国基地
 岩国市にあり、海上自衛隊と共同で使用。基地沖合に長さ約2400メートルの新滑走路が完成し運用が始まっている。日米両政府は米軍厚木基地(神奈川県)から空母艦載機を移駐し、米軍人や家族の住宅を市内に建設する方針。艦載機の訓練施設の建設候補地として、日本政府は鹿児島県・馬毛島(同県西之表市)を選び、県側に計画を説明している。

(2012年2月7日朝刊掲載)

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