×

ニュース

「相談しやすい雰囲気を」 島根原発虚偽記録 有識者会議で指摘

 中国電力は17日、2010年の島根原子力発電所(松江市鹿島町)の点検不備問題を受け設置した原子力安全文化有識者会議を同市内で開いた。

 地元の自治会長たち社外委員6人が出席。中電は毎年実施する原子力部門職員のアンケートについて、昨年の結果を報告した。

 低レベル放射性廃棄物の処理をめぐる虚偽記録問題は昨年6月に発覚。アンケートは11月9~24日、769人に実施した。「都合の悪い事実も相談しやすい雰囲気があるか」との問いに「そう思う」と答えたのは前年度比1・1ポイント増の66・5%で、ここ数年大きく変わらないとしている。

 「仕事にやりがいを感じるか」との設問には、計14%が「思わない」「あまり思わない」と否定的な回答をしたとした。理由として「原子力に対する社会の受け止めの厳しさ」を挙げた回答の約8割を20~30代が占めるなど、若手の意欲低下が見られたという。

 委員たちは「原発の安全を考えれば、全員が相談しやすい雰囲気が理想だ」などと指摘。終了後、中電の渡部伸夫副社長は「安全文化醸成は道半ば。各職員に行き渡るまで取り組みを続ける」とした。(秋吉正哉)

(2016年2月18日朝刊掲載)

年別アーカイブ